今回は五島列島でかんころ餅の原料を加工されている長米株式会社の上五島営業所の犬塚悠介様と製造作業される松本弘大様にお話を伺いました。
ここではかんころを作っています。かんころとはかんころ餅の原料になるサツマイモを干したものですね。
かんころ餅は干したサツマイモを蒸し直して餅米と混ぜて作るんです。
うちのかんころは主にかんころ餅屋さんと個人の方、スーパーなどに販売しています。
長崎外海(そとめ)地区と五島でしか作ってない長崎県五島列島の郷土料理ですね。
和菓子屋さんや、パン屋さんで作っていたり個人で作る人もいます。
機械化の少人数の事業として2019年8月から始めました。長米(株)の事業としては新規事業です。いつもは二人で製造作業しています。
きっかけは1年くらい前に地元の餅屋さんから「上五島100%の原料で作られたかんころを地元で仕入れられない」という話があったことです。
それまでサツマイモは地元の農家さんが自分たちで消費する分を自分たちで作っていたんです。
かんころ作りの機械化に抵抗はありませんでした。世の中色々と進化しているんで。
従来の作り方はほぼ全て手作業が多く、将来的には衛生面とかの懸念事項もあるかもしれないですから。うちでは今のうちから着手しておけば良いかなと思っています。
サツマイモを洗って皮をむき、スライスして蒸して乾燥します。
洗うのも機械で、皮むきは皮むき装置、スライスはスライサー、蒸すのはスチームコンベクション、乾燥は乾燥庫です。
他で作っているのは蒸さないで茹でているようです。
特に味の違いは無いようですが、色味の良さ、変色して黒くなる部分が少ないとは言われます。
皮をしっかり剥いて作る製法だからですかね。
価格が高い、安いということもなく、安定して供給できるというメリットで買っていただけてます。
うちでは常時作っていますので使う分だけ納品することが可能なんです。
サツマイモの収穫時期が10月から12月頭くらいまでで、入荷したものを加工しますので2月くらいまでですかね。
地元の原料としてはまだまだ足りないという現状がありますので、今はまだ地元の原料100%ではないです。
現在は主に長崎の原料に頼ってますが、最終目標は島の原料100%にしたいですね。
少しずつですけど地元の支援団体の協力でサツマイモを仕入れ始めています。
サツマイモを使ってお菓子、ドライフルーツなどの構想はあります。
今後色々と試してみたいです。
サツマイモの大きさによって変わるんです。
小さいと、皮むきや並べる作業が倍近く変わるので原料で100kgくらいで、大きいのだと200kgくらいです。
いつも掃除も含めたら6時くらいまでは作業しています。
加工の手間自体は楽なんですけど、機械それぞれの掃除がそれなりに大変なのでその手間を考えると一概に楽とは言えないかもしれません。
最後の掃除がもっと効率良く出来たらいいなと思います。
いいですね。
もともとすべてを手作業していたわけではないんですが皮むきもどうしても手作業が必要になる事があります。サツマイモは形がバラバラなので丸ければ綺麗に剥けるんですけど、細かったり曲がったりしているものはスピードに関係なく剥けない部分がありますので、手直し作業はありますけれどね。
スライサーはまとめて入れられるので必要な機械ですね。厚みも揃えられますので。
手作業だと厚さもマチマチになってしまいますから。
一般的にゆでる部分で大量にお湯を使わないので捨てる部分がないし色も変わらないですね。
湯気がすごいですけど(笑)。
均等に乾きますし、天日よりも早いと思います。外だと天候にもよりますが、1週間から10日くらいかかってるみたいなんで。
厚みも違うかもしれませんが。自分のところで食べる分で考えるとそんなにカチカチになるまで乾燥させなくても良いと思いますが、うちではしっかり乾燥させないとカビの原因にもなってしまいますから。
黄砂やPM2.5の対策にもなりますし安全に作ることが出来ると思います。
五島うどん、かんころ餅、それと海ですね。家ではうどんは食べないですけど(笑)。
同じ製麺業者でも時期によって味が違います。夏のうどんは塩が多いので。
世界遺産の教会です。頭ケ島天主堂。世界遺産になってから観光客は増えましたね。
みんな地域愛が強いので近所付き合いがあるので良いと思います。
長米株式会社 上五島営業所
長崎県南松浦郡新上五島町七目郷965-1
TEL : 0959-42-5001
FAX : 0959-42-5002
アパレル会社や運送会社に勤務していたが、子供が生まれたことで「子供は島で育てたい」という強い思いから家族で島に戻った。趣味は釣り。
高校卒業後、千葉で火力発電所に就職。島に戻って児童養護施設で5年働いて長米へ。かんころ加工の繁忙期の応援スタッフ。