今回は岡山県倉敷市で野菜加工工場をされているはなまる青果株式会社の専務取締役 花田佳久様にお話を伺いました。

年間雨量が少ないので晴れの国と言われてますね。ちなみに自分用の長靴持ってますよね?
岡山の人は長靴持ってる人少ないと思いますよ。今はおしゃれで履いたりとか増えてきたんですが、僕らの幼少時代は他の地方から来た転校生が岡山の人は雨降ってるのになんで長靴を履かないんだって驚いてました。あと、災害が少ないですね。中国山脈と四国山脈の間に挟まれてるので、台風の目が見えるくらいです(笑)。広島になると雨が多いんですけどね。
言わない事はないかもしれないですけど倉敷では「ぼっけぇ」と言っていますね。ある程度の年代の方だと「ばんこ」とも言いますね。どれも「凄い」って意味です。
僕も「もんげぇ」は妖怪ウォッチで知りました(笑)。
父親が倉敷大果という会社をやっていて、その水島支店、玉島カット工場を買い取りました。
僕、双子の兄なんですけど、この会社を始める前に二人で塗装、防水の仕事を丁稚からスタートしてそれぞれ親方について24歳で独立したんです。
27歳の時には飲食店を小さなお店で始めて、そこで一つ会社を作って二本立てでずっとやって来たんです。

岡山県倉敷市阿知3丁目8-3
TEL:086-422-2201
2008年、アメリカ合衆国の投資銀行「リーマン・ブラザーズ」の経営破綻(はたん)が引き金となった国際的な金融危機とその後の株価暴落などのこと。
※「リーマン・ショック」は和製英語
飲食店はリーマン・ショックまでは順調でしたね。リーマン・ショックの時に、立ち退きがあって、その時にたまたまテレビで「場所は歩いて探さないといけない」という旨の番組をやっていたので倉敷を歩こうと、歩いて父親の友人だった今のお店のオーナーにあたって。
40坪くらいで探してたんですけど、そこは1階が76坪、2階が60坪だったんです。けど、オーナーさんが仕切って使いたい分だけ使っていいよって言ってくれて。
それが今から8年前ですね。結果、今は全部借りてます。(和風ダイニング和華)
赤坂に仲間と合同会社作って6月に「赤坂バル横丁」の店がオープン予定です。
父親がつけました(笑)。他にも候補はあったんですが、ある方に見ていただいてその中ではなまる青果が一番良いということになりました。
仕事自体は人、モノ、金の順番ですね。お金儲けをするために何かのモノを作るために人が要るというふうになると、人が一番最後じゃないですか。
人がいるから、サービスや商品を考えて、お金が入ってくるという順序を間違えてはダメだなと思いますね。あとはご縁ですね。お客さんもそうですし、従業員もそうですし。
接客、心使い、気遣いが人を作ると思いますね。責任感と思いで人間いくらでも変わると思います。
岡山が多いですね、岡山市、倉敷市、総社市、あとは広島の福山までは行ってますね。
いえ、スーパーはこれからですね。今は介護施設、病院、飲食店、お弁当屋さん、学校なんかもありますね。それらがメインですね。





やっぱりカット野菜ですね。うちはキャベツもありますが葉物よりも土物根菜類、玉ねぎ、牛蒡、大根、人参などが非常に多いですね。
お客さんの要望に応える手切りやカットもやってるんでそこが一番じゃないですかね。
大変ですね。人手不足ですしね。
単純にグラム合わせとかが多いですね。例えば乱切りですね、機械でやると乱切りはバラバラにしかならないですけど、乱切りの一つをだいたい何グラムにしてほしいとかですね。入居者に個数で取り分けるので。
ジャガイモもグラム指定とかありますね。
おそらくそうだと思います。
そうですね。そこがうちの強みでもあります。それに付随して原体野菜なんかも納品できるので。それだけだと人件費がかかり過ぎて合わないと思いますから。
いえ、ないですね。地産地消は好きなので、原体野菜や地元のモノがあればなるべく使いますけど、通年通してとなると無理ですね。
野菜や果物を育てるには良い環境が必要なのですが、岡山といえばコレというような特化した野菜というのはそんなにないですよね。
強いて言えば果物で桃ですね。
あとはマスカットですね。シャインマスカット、桃太郎ぶどうなどいろいろ作ってますね。tettaワインも醸造を始めて頑張ってますね。

クレームに迅速に対応することを心掛けてますね。自然の生野菜なのでクレームが無くなることはないと思ってますから。前もって処理したものが次の日になると変色があったり、野菜は生き物ですからね。
想定できないことも起きたりするので、減らす努力はもちろんですが起こってしまった場合の対処のスピードに気をつけてますね。衛生管理は当たり前の話ですから。

昔はご近所付き合いがあったので余るものがなかったのに、今はモノを捨てる時代になった。ご近所にお裾分けとかそういった文化がなくなってきてますよね。
両親、一番下の弟、僕、奥さん、子ども二人の7人家族です。
「野菜1個まんま食べられる構成ですね」



「ベジマミ」はパック詰で連島の蓮根と牛蒡をパウダーにしたものです。9月にテストマーケティングして11月くらいからポロポロ置き始めて、今年(平成29年)の2月に東京ビッグサイトの展示会に出してこれから売っていきたいねと思っているところです。
そうです、特に牛蒡はGI保護制度(地理的表示保護制度)に登録もされました。
「ベジマミ」は産地がはっきりしているので、ものの性質自体も変わらないから一定の味や品質を保てます。
販売しているのは3種類ですけど蓮根、牛蒡が主ですね。
例えば牛蒡だと焙煎と普通のフレッシュがあるんですけど、カレーにはフレッシュより焙煎の方が合うし、炊き込み御飯だと焙煎よりフレッシュが合うので使い分けはできますね。
あとは卵焼きとか、アタリメを食べるときのマヨネーズに牛蒡の焙煎パウダー、醤油、一味で牛蒡マヨ、これ美味しいです。焼きおにぎりでマヨネーズと牛蒡パウダー、醤油と混ぜて塗って焼くと美味しいです。味噌汁とかシチューとか。何にでも入れれますよ。パンケーキやホットケーキとか、何にでも使えます。
寄せ鍋だったらフレッシュの牛蒡がいいね、すき焼きだと焙煎の牛蒡がいいねと選ぶ楽しみもあります。焙煎は食物繊維も取れるお茶にもなります。
蓮根はムチンという成分があってTVでもやってたんですけどアレルギー体質の改善とか免疫力アップの効果が期待されていて、ムチンは熱に弱いのでヨーグルトやサラダと一緒に食べると効果的らしいです。
※ベジマミは岡山のリョービプラッツさん、道の駅、JAさん関連のお店で販売しています。
じゃがいもも剥くんですけど一番活躍するのは里芋ですね。特に里芋は抜群にいいですね。
そうですね、普段はじゃがいもで、10月から3月4月くらいまで里芋は凄い手間がかかるので、処理が早いですよ。

2L以上ですね。
ほぼメークインです。7月の終わり、8月には北海道のとうやを剥きますけど、あとはメークインです。
要望です。岡山では「じゃがいも=メークイン」だと思っている人が多いです。
あまり売れないです。ほぼメークイン指定なんです。
そうです。問い合わせて、展示会を見に行って、それからですよね。
じゃがいも目的だったんですけど。
それも全然早いですよね。特に里芋は天と地の差ですよ(笑)。
強いて言えば肌がもう少しつるっとなればいいなと思います。



岡山倉敷市連島2丁目1-38
TEL:086-444-3288

1977年5月7日生
生まれも育ちも倉敷、ずっと坂津。双子の弟と共に塗装会社に始まり、飲食店、野菜加工工場とマルチに展開する。